◆史跡案内◆三重

 今年(2015年)春、「斎宮跡」付近を訪問した記録です。 

 場所は三重県中央部、松阪市と伊勢市の間に位置する多気郡明和町。

 意外かもしれませんが、斎宮の地は伊勢神宮から約20km離れていて、
 斎王が神宮に赴くのも、年に3回だけ
だったといいます。

 指定されている史跡の規模は、東西約2km・南北約700m。
 ここには斎王が神に仕えて留まるほかに、「斎宮寮」という巨大な組織(建物約100棟)
 が存在し、碁盤の目状の区画「方格地割」であったこともわかっています。
 この“オフィス街”に勤める人の数、総勢500人以上と想定されています。

 昭和45年(1970)から始まった発掘調査はまだまだ途中であり、
 これからますますの発見・調査・研究が期待されています。


 そんな斎宮跡地の最寄り駅は、近鉄山田線、その名も「斎宮」(さいくう)駅です。
 ちなみに駅の名前だけでなく、史跡の名前も「さいくう」と読み、濁りません。
 伊勢市駅から15分程度ですが、普通列車しか停車せず、本数が少ないので注意。

 この斎宮駅一帯は、「斎宮」に関する施設がいくつか集まっています。

 
 ■いつきのみや歴史体験館

 斎宮駅を降り立つと、すぐ近くにあります。
 平安王朝時代に関するさまざまな体験ができます。
 たとえばこんな感じ。
 十二単8
 平安装束体験。
 建物は寝殿造を模したもので、室内も調度など、平安王朝の雰囲気を満喫。

 中の様子
 いつきのみや中
 ここにある「貝覆い」や「袿」は実際に手に取って遊ぶ(羽織る)ことができます。

 公式サイト トップページ
 http://www.itukinomiya.jp/

 ※平安装束体験については、別のページにて詳細にまとめました※
  十二単体験~いつきのみや歴史体験館


 ■1/10史跡模型(歴史ロマン広場)

 駅といつきのみや歴史体験館の前に大きく広がっています。
 1/10は、けっこう大きいのです!
 10分の1史跡

 10分の1史跡2
 説明板も充実。

 なお、次に紹介する斎宮歴史博物館でも、建物に関する詳細な展示があります。

 模型の隣では、古代米(赤米・黒米)が栽培されていました☆


 ■斎宮歴史博物館

 少し歩きますが、西へ進むと斎宮歴史博物館があります。
 斎宮歴史博物館
 
 常設展とショートムービー(10~20分程度の3本)放映がありました。
 出土品などのほかにジオラマ展示が充実しており、写真撮影もOKの場所が多いです。
 斎宮ジオラマ
 斎王と命婦(内侍)。

 斎宮復元図
 1/10史跡模型のところで触れた、史跡復元のジオラマ。

 なお、ショートムービーは「斎王群行」「斎宮を歩く」「今よみがえる幻の宮」の3本。
 私は「斎宮を歩く」以外の2本を見ることができました☆

 「斎王群行」は、良子内親王(後朱雀天皇の娘)の群行の様子を映像で再現しています。
 ドラマなどで扱われないため、なかなか見ることのできない貴重な平安時代の再現映像かも!
 主人公(?)は藤原資房で、彼は『春記』に良子内親王の斎王群行の記録を残しています。
 「今よみがえる…」では発掘の話のほかに、勅使の様子なども再現されており、
 興味深かったのは、現代とはちがう“平安時代の発音”が、おそらく研究に基づいて
 収録されている点です! 本当に「ふぁ、ふぃ、ふぇ、ふぉ」という感じでした!!

 公式サイト トップページ
 http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/saiku/


 ■「さいくう平安の杜」と復元建物(整備中)

 さらに、平成27年(今年2015年)秋の完成を目指して、史跡公園の整備が進められています。
 斎宮寮庁の中心的な建物「正殿」ならびに「西脇殿」「東脇殿」の3棟を中心とした広場です。
 公募で「さいくう平安の杜(もり)」と名付けられたそうです。
 現在、いつきのみや歴史体験館、1/10史跡模型、斎宮歴史博物館と、
 すべて斎宮駅のほぼ正面から北西寄りに施設がありましたが、公園は北東になります。

 それに合わせて史跡模型と歴史博物館をつなぐ「古代伊勢道」(飛鳥~奈良時代には成立
 していた道)を整備し、発掘調査で確認された幅(8.9m)の規格と位置で舗装するとか!

 いまはちょっと寂しいところですが、もう少し観光地化が進むのかな、
 といった感じです


 このあたりの散策には、「斎宮てくてくまっぷ」が役立ちます。
 駅を出たところの案内所?休憩所?にも置いてありますが、インターネットでダウンロードも
 できます(PDFデータ)ので、事前に確認しておくこともできます。 ※斎宮てくてくまっぷ で検索

 ちょっと駅にたどり着くまでが大変でしたが、なかなか楽しい半日でございました 

 


 


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