◆本紹介(小説編)◆平安時代、中宮定子・清少納言

 歴史に残る女性が決して多いとはいえない日本史のなか、
 輝く女の結束を見せてくれるこの二人!

 一条天皇の中宮定子こと藤原道隆女・定子と、
 彼女に仕えた女房の清少納言こと清原元輔女(実名は不明)。

  * 簡 単 説 明 *
 藤原道隆の同母弟はあの藤原道長
 道隆が病死すると、道長が覇権を握り、その娘彰子も一条天皇へ入内します。
 定子を皇后という名目で追いやり、彰子が中宮となります。
 ことに定子にとっては屈辱的な“一帝二后”という異様な状況です。

 没落していく道隆家ですが、清少納言は終始明るい筆致で、
 その宮中生活を『枕草子』と呼ばれる随筆にしたためました。
  * 説 明 お わ り *



 今回は、このふたりを扱った書籍~小説編~を特集します。

 結論から言ってしまいますが、次回の漫画・エッセイ編に比べ、
 最近は納得のいく作品に出会っていません。いま現在、私個人は、ですが。
 (古くは、田辺聖子さんの名作『むかし・あけぼの』があります)

 

はなとゆめ (単行本)
冲方 丁
角川書店
2013-11-07


 『天地明察』『光圀伝』などがヒットした冲方丁(うぶかた とう)さん、
 興味はあったのですが、平安時代という題材に惹かれてついに初読み。

 しかし、期待外れでした……
 もし、「定子様と清少納言について、まったく知らないので知りたいわ」、
 ということなら、平明に読みやすく書かれているので、いいかもしれません。
 しかし、多少でも知っているのなら、この小説はエピソードの羅列ばかりで、
 特に前半は冗長な印象しか残らないでしょう。

 冲方さんがこの小説を発表されたとき、ラジオ番組に出演されて
 清少納言を描くにあたって「どう考えても中宮定子とセットじゃなきゃ
 面白くないんですよね」、二人は「バンド組んでるみたいな」と仰ってた。
 それを聴いて楽しみに、買った私は騙された……

 男性の描くものだから仕方ないのか、「バンド」のような結束はとりたてて
 感じられず……作中、花・華といった言葉が多く出てきましたが、
 その言葉に頼らずに表現するのが小説でしょう? とかえって白けました。


 作品は残念でしたが、さすがKADOKAWAだけあって、宣伝が素敵
 Amazonの頁にも動画がありますが、美しいです
 もういっそ、こういう映像作品を作ったらどうなのか? と思いました!



砂子のなかより青き草
宮木 あや子
平凡社
2014-06-20


 私の好きな作家、宮木あや子さんの平安もの!
 それにこの本、見て! 装丁が美しすぎる~!!

 砂子2

 いやしかし、中身は美しくなかった……

 清少納言と定子との結束を描くものかと思いきや、清少納言は定子の兄・
 伊周(これちか)に夢中だし(笑)、定子はおまけとまではもちろん言わないけど、
 伊周とのエピソードは不要じゃないかしら。。。

 期待していたキャラクターも魅力がありませんでした。
 定子は結果的には敗者であり、どんなに愛されたとしても、みじめさは否めない。
 しかしこの小説は憐れすぎる。みじめすぎる。美しさ、尊厳が感じられない。

 なんといっても、“敵方”の描写がひどすぎます。もちろん、定子らの叔父・道長と
 娘・彰子、女房・紫式部のことです。あれでは下手な大河ドラマの悪役です。
 反対側の人間を貶めることにより主人公側を持ち上げる手法はやめていただきたい。
 つまらないし、読後感が最悪です


 * * *

 うーん、良作を求めている分、辛口になってしまった……

 どうも定子様と清少納言を描こうとすると、キラキラしい宮中の世界、
 しかしその宮中の花は現実の政争によって踏みしだかれて……
 みたいな、感傷的なムードになってしまうのかな。

 2冊とも、装丁の美しさはうっとりもので、雅やかな雰囲気を味わえます。が。
 うーん、悪い意味で、「女性向け」として企画されているのかな、という印象。
 女性はこんな感じが好きなんでしょ?( ゚∀゚)アハ と言われている気がこれを花燃ゆ現象と名づく


 冲方さんは「やはり男性作家じゃそんなもんだろう」と思うのでともかく、
 いままで一貫して女性同士の結びつきを描いてきた(と私は思っている)
 宮木あや子さんの作品は、かなりショックでした。

 本の記載によると、宮木さんの作は『コバルト』掲載作品だったのですね。
 小中高校生女子向けに書かれたのか……ならば、底の浅さは仕方ない、のかも
 しれない、けど!! ほんとは!!!
 そういう小さいころから、良作を読むのが望ましいと思うの。
 (昔は氷室冴子さんとか、最近は知らないけど、今野緒雪さんのマリみてシリーズ
 とか、よかったと思いますよ☆)
 だから、本音ではますますガッカリ。


 次回! 一転して「漫画・エッセイ編」は面白い作品そろえます
  後編:漫画・エッセイ編
 



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