◆水鏡◆第0回

 水鏡 2


 <新・古典シリーズ「水鏡」について>

 来年より、古典水鏡を読んでいきたいと思います

 歴史物語『大鏡』は有名ですが、このジャンルには“四鏡”といって、
 ほかに『水鏡』『今鏡』『増鏡』という作品もあります。
 この3作品は、すべて最初に成立した『大鏡』の形式を踏襲しています。
 描かれた時代の順にあげると、『水鏡』→『大鏡』→『今鏡』→『増鏡』です。

 さて、では、まずは『水鏡』のご紹介。

        * * *

 鎌倉時代初期の成立で作者は中山忠親とされるが、源雅頼説もあり断定はされていない。
 神武天皇から仁明天皇まで(『大鏡』であつかう時代の直前)1522年間の歴史をかたるが、
 史実としての信憑性は低く、『扶桑略記』に依拠している部分がきわめて多い。


 仏教的な記述が多いことも特徴であるが、そのなかに「古今世情同一論」ともいえる
 独自の思想・主張――「古へをほめ、今を謗(そし)るべきに非ず」という考えが見られる。

 “人の心情はそう変化するものではないので、昔は善い世の中であり今から先は
 どんどん悪くなるばかりだ、と決めつけてはならない”という主旨である。
 そのことを理解するために、歴史が語られるのである。


        * * *
 序文にて、この物語がかたられるシチュエーションが説明されますが、複雑。


 まずは当年とって73歳(厄年)の老婆が登場します。
 彼女が長谷参籠のさいに年若の修行者に出会います。
 その修行者が先年に出会った葛城山の神仙からきいた長い歴史や秘話をかたる、
 という構成です。ちなみに、葛城山のスーパー仙人の年齢は不詳です。

 序文の最後は『大鏡』にふれています。


  万寿の頃ほひ、世継と申しし賢しき翁侍りき。文徳天皇より後つ方のことは、暗からず
  申し置きたる由うけたまはる。
(…)かの嘉祥三年より前のことを、おろおろ申すべし。


 「世継」とは『大鏡』のかたり手の老翁のことで、文徳天皇以降のことは
 かれが明らかに話をしたと言っています。
 それ以前(嘉祥3年=850年、文武即位以前)のことを話そうと言っているのです。
 神代12代は申し憚るため、神武天皇よりはじめよう、とつづけます。


   [参考文献]
   河北騰『水鏡全評釈』笠間書院、2011/
『国史大辞典』(水鏡の項)吉川弘文館

        * * *

 姉ブログ(くじょう みやび日録)にて神武~継体・安閑・宣化天皇については、見てまいりました。
 (もしご興味おありでしたら、姉ブログトップ頁の右カラムに「古典・水鏡」があります)

 当ブログでは、欽明天皇からを引き継ぐ形で、読み続けていきたいと思います。


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