昨日、「伴大納言絵巻」の話題に少し触れましたが、それで思い出しました。
4/9から東京・出光美術館にて公開される「伴大納言絵巻」は国宝ですが、
今回お話しする絵巻は国宝ではありません。
現在日本の所有ではない、“海を渡った絵巻”なのです。
2012年の東京国立博物館<ボストン美術館 日本美術の至宝>展で知ったものです。
このとき“海を渡った二大絵巻”として「平治物語絵巻」とともに展示されていました。
この「吉備大臣入唐絵巻」は、「伴大納言絵巻」と同様に平安院政期の後白河院
周辺で制作されたのではないかともいわれているそうです。
この絵巻の内容がかなり面白くてツボなのです
「吉備大臣」とは、奈良時代の吉備真備のことで、彼の入唐の絵物語です。
みんな真剣に並んで見ていたけど、かなり内容がくだらなくてツッコミどころ満載
(もちろん絵巻自体は色も鮮やかに保存されていて、すばらしいのですが)
そもそもテーマが“唐人の難問に不思議な力で立ち向かう”ですからね。
真備、唐人から『文選』の解読を課される!(もちろん『文選』など知りません)
……なんと亡霊(ここで阿倍仲麻呂の亡霊登場)の力を借り、空を飛ぶ真備!
さあ、何をすると思ったら、試験内容を覗いています(笑)←カンニングかよ!
さらに、囲碁の勝負を持ちかけられ(もちろん囲碁などやったこともありません)、
勝負に詰まると、何と碁石をひとつ呑み込み(!)勝ってしまう。
そしたら唐人が下剤を飲ませ碁石を出させようとし(!!)、
しかし真備は超能力でその場をなんとかしてしまう(つまり、碁石を体内にとどめる)。
……って、もう、いいんか~い! っていう話の連続でした(笑)
▲ボストン美術館蔵「吉備大臣入唐絵巻」第6段
囲碁勝負の場面。左では真備が下剤で排出したものを調査中(汗、尾籠ですみませぬ)
さまざまな唐人からの難問を見事クリアした末、めでたく帰国した真備は、
『文選』と囲碁を日本に伝えたのでした、チャンチャン。
なにそれっ?! というトンデモ話で、かなりウケました
そもそも仲麻呂と真備は同時代人で、真備が最初の遣唐使に参加(真備は二度の
遣唐使体験あり)したときは仲麻呂と一緒だったくらいなのですが
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