◆ドキュメンタリー◆三重テレビ

 先月放送の、三重テレビ制作ミステリアス斎宮~祈る皇女斎王のみやこ斎宮
 について、ざっくりとレポートいたします。

 榎木孝明らが出演し、伊勢市の隣、三重県明和町にある斎宮周辺の史跡をたどり、
 ここで暮らした歴代斎王の物語を、和歌なども交えて紹介しました。

 以前訪れた斎宮歴史博物館のジオラマも写っていました
 斎宮ジオラマ
 奥の白い衣裳の女性が斎王。

 このジオラマの前で同歴史館の学芸員・榎本寛之先生がお話しされてました。
 先生のお話、一度お伺いしましたが、斎王愛にあふれたとても素敵な方です。



 さて番組では、主に三人の斎王が採り上げられていました。(3枚の写真は番組より)

 (1)大来(おおく)皇女
 斎王1

 在任期間673-686。
 天武天皇の皇女。伝承時代をのぞいては初代の斎王とされています。

 謀反の疑いで自害させられた同母弟の大津皇子が有名です。
 大津は罪を得たことを知り、たったひとりの肉親である姉に、遠く伊勢まで
 ひとめ逢いにきます。斎宮は、姉弟の今生の別れの舞台だったのです。


 (2)恬子(やすこ/てんし)内親王
 斎王2

 在任期間859-876。
 文武天皇の皇女。母は紀静子。

 この内親王は、“恋する斎王”として有名です。
 在原業平が主人公といわれる『伊勢物語』に描かれた、斎王との恋――
 その斎王とは、この恬子内親王であったといわれています。
 『伊勢物語』の伊勢とはこの恋愛事件の舞台・斎宮を指しているといいます。


 (3)祥子(さちこ/しょうし)内親王
 斎王3

 在任期間1333-?
 後醍醐天皇皇女。史上最後の伊勢斎王でした。

 戦乱もしだいに激しくなった武士の世に、斎王に卜定されました。
 しかし、結局群行はならず、伊勢へ入ることはかないませんでした。
 年齢や、その後の消息も不明だそうです。

 祥子内親王、知名度はぐっと低いですよね。
 私にとっても、歴代斎王表で名前は見かける程度の存在でした。

 採り上げられていた和歌を紹介しておきます。

   いすず川たのむ心はにごらぬをなどわたる瀬の猶よどむらん
                       (『新葉和歌集』)

  【訳】五十鈴川に託した私の心は濁っていないのに、
  なぜ川を渡ろうとするとこの瀬はよどんでしまうのでしょう。

 伊勢神宮を流れる五十鈴川。戦乱のために伊勢へ行けないつらさを詠っています。
 この歌は、内親王が斎王を退下し、出家したあと詠まれたといわれています。

 

 さて、先日この番組が10回シリーズかと勘違いしていました。
 こちらは独立した単発番組で、10回シリーズの斎王特集は別にありました。

 三重テレビ制作の番組ですが、全国でもいくつかの局で放送されるそうです。
 (未決定ですが、またBSフジでも放送されるとか)
 タイトルは『斎王~幻の宮の皇女』で、出演は奥田瑛二ら。
 
 詳しくはこちらをクリック


 復元建物もできたようですし、また斎宮行きたいなぁ。夏の十二単も着ないとね


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