◆漫画紹介◆平安時代、おかざき真里

 おかざき真里『阿・吽』最新刊、4巻!


 最澄と空海を中心に描く平安初期漫画

 4月に一度ご紹介した漫画『阿・吽(あうん)』の最新巻です。
 刊行は今年(2016年)6月なので、約1か月が経過してしまいましたが……

 阿吽4-1
 ▲おかざき真里『阿・吽 4』小学館、2016年6月


 唐へ続くふた筋の道

 前巻(3巻)の終わりで、W主人公である最澄と空海の二人が、シンクロするように、
    海を渡る。
 と希望に満ちて決意しており、物語は新章を迎えそう
 と思いましたが、落ち着いて考えてみればおいそれと唐に渡れるはずもなく
 この巻はまだ日本のお話です。

 帯のキャッチ「唐へ続くふた筋の道」は当然、最澄と空海、それぞれが
 唐に行くためにもがく、そのさまを指しています。


 まさにもがくという印象を受けます。二人の唐への渇望はすさまじい。


 舞台の中心は延暦21年(802)

 この巻のクライマックスは、中盤の高雄山寺における最澄の天台法華講話、
 延暦21年(802)のできごとです。

 史実としては、この和気氏の主催する天台会の講師に招かれたことを機縁とし、
 最澄は入唐還学生に選ばれることとなります。

 漫画ではまだ最澄と空海ははっきりとは交わっていませんでしたが(空海は
 修行中の最澄を目にしたことがある)、ここで強烈な“魂の交感”を果たします。
 (どんな状況かは、もう漫画を見てください! としか言えません!)

 もっとも、まだ正式な僧侶でもなく勤操の私的な従者として最後尾にぽつんと座っていた
 空海ですから、最澄のほうではその名も知る由もなく、姿すらはっきりと目にしたわけでは
 ないのです。空海のほうも、最澄を激しく求めつつも、それは――
   (あ)は彼(か)の、阿頼耶識(あらやしき)にのみ用がある。


 二人が唐へ渡るのは、延暦23年、あと約2年先のことです。
    

 権力者たちの不気味な姿

 この巻では、桓武天皇と嫡男の安殿親王(あてしんのう、のちの平城天皇)との
 父子の根深い確執が描かれています。
 父は息子を愛し期待をかけつつも心配し、息子にはそれが重圧となり束縛と感じ反発する
 ……ごく普通の父子の対立でありつつも、父が“偉大なる帝”であるがゆえに深まる溝……


 そこにさまざまな政治状況や人間模様がからんでいきます。


 阿吽4-2
 ついに登場した藤原薬子。彼女も父子の間の火種となる。
 桓武天皇の信頼する尚侍・明信との場面が迫力……

 阿吽4-4
 桓武の父、“飲んだくれ”だった光仁天皇。だが実は……
 和気清麻呂との場面が泣ける。

 阿吽4-3
 亡くなった清麻呂に代わり登場したその息子たち。双子みたいにそっくり!
 実際は、広世が長男、真綱は五男で、主な活躍時期はややずれるものの、
 両者とも延暦21年の高雄山寺の天台会に尽力、新仏教のよき外護者となった。



 そして、桓武天皇と安殿親王父子の心理的衝突は、最澄の運命にも
 深く関わってくることになります――


 
  ■書誌データ■

阿・吽 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
おかざき 真里
小学館
2016-06-10




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