◆展覧会記録◆2016年8月 東京国立博物館

 藤原行成の書 その流行と伝称


 行成真跡の名品「白氏詩巻」も公開!

 東京国立博物館本館2F特別1室にて、特集展示「藤原行成の書 その流行と伝称」
 が10月2日(日)まで行われています。

 行成の書展
 ▲特集展図録(600円)/今回の記事は展示・学芸員ギャラリートーク・当図録より主に構成

 最大の目玉は、やはり藤原行成の、“和様の書”の、最高峰といわれる国宝「白氏詩巻
 楷書行書の変化、墨の濃淡、字粒まで、さまざまな技巧が凝らされています。
 いつも印刷(影印本)で見ていますが、やはり本物を直接拝見するのはちがいます。
 特に線の肥痩は印刷で見るより格段に鮮やかでした。

 この書は日付が入っており、寛仁2年の作と分かります。
 西暦で言うと1018年で、本当にほぼ1000年前の作品なのですね!

 藤原行成「白氏詩巻」について詳しくは過去記事

 

 行成の真筆から後世の作品・史料までを展示

 ほかに行成の真筆は、重要文化財「書状と、陣定定文案の計3点。
 後者2点は個人蔵、「白氏詩巻」は東博蔵です。

 「書状」は、相手の不義理(?)をなじる内容でありながら、「白氏詩巻」に並びうる
 名品になっています。(これじゃ貰って嬉しいだけなのでは 謝罪のはずなのに
 達筆はいいけど誤字満載の藤原佐理の書状と逆ベクトルで面白い)
 なお、みながその直筆を欲しがったため、誰もが持っていたと言われる行成の書状
 ですが、現在まで伝わっているのはこの一点のみだとか
……
 内容から、権大納言に昇進した寛仁4年(1020)49歳の筆跡と思われますが、
 残念ながら後半部分が残っておらず、誰に宛てたものかはわかりません。

 「陣定定文案」は、寛弘元年(1004)と翌年の二度の陣定の定文(議事録)案で、
 いわばメモ書きのようなものと考えられます。筆跡も、幾分ラフな感じでした。
 白氏詩巻などとはまたちがった味わい。
 陣定(会議)ということで、政治史史料としても有用なのではないでしょうか。
 冒頭近くから人物名がたくさん書かれていて、テンション上がります  
 「左大臣右大臣内大臣右大将藤原朝臣……」。(道長、顕光、公季、実資ですね)



 さて行成真筆の話が多くなってしまいました。
 これ以下は、行成に影響を受けた筆跡や、「伝藤原行成」とされた筆跡など、
 いかに行成の書が受容され流行し、重んじられてきたかということを、
 実際の書やその他の史料から見ていきます。
 後世の花押や箱書なども錚々たる顔ぶれによってなされています。


 ☆ ★ ☆
 展示は10月2日(日)まで、東京国立博物館・総合文化展のチケット(一般620円)
 で、ほかの常設展示とともに見ることができます!


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