意外な弓の名手~道長に勝った男


 弓の名手・道長を圧倒した公任!


 前回、「意外な弓の名手の系譜」として、聖徳太子(厩戸皇子)、菅原道真、
 そして藤原道長をあげました。

 道長は『大鏡』によると、甥の藤原伊周に弓で圧勝したのでした。
 もちろんこの話は二人の未来を投影している物語であるため、この勝負自体は
 史実ではないと思われますが……



 さて、本日の主役・藤原公任
 彼は道長時代に活躍した能吏であると同時に、“文化のカリスマ”として君臨した
 貴族です。極官は権大納言。「四条大納言」と呼ばれています

 同い年である公任と道長がまだ20代のころの、『大鏡』に載る物語です(頼忠伝)。

 このころ道長はすでに大納言、公任は参議であり、地位には差がついていました。
 公任の姉・皇后藤原遵子が、道長の「若くて弓をいみじくこのませたまひき。
 上手にもおはしましし
」との評判を一目見ようと、自邸に招待し弓を射させました。

 相手をしたのが弟の公任でした。
 客人でしかも立場が上の道長に、勝ちを譲るのは当然期待される流れ

 事実、やはり弓の腕前が確かであった道長は、途中までリードしていました。
 もう勝負はついたとばかりに最後に気を抜いて外したところ……

 公任、最後の矢は「的の中のわれぬばかりひびきなる」。
 的の中心に命中したばかりか、的も破らんほどの勢い!
 道長は這う這うの体で逃げましたとさ

 姉をはじめ周囲に、あまりの空気読まなさを責められる公任……
 「ほかを射はべりさぶらひつるが、吾にもあらず、あたりてはべるなり
 (射外すつもりでしたが、無我夢中のうちに、的に当たってしまったんです)

 ……って、これって下手なだけか

 しかし、その次の台詞が、
 「目のいかにもいかにも見えはべりて
 (この目に、どうにもこうにも的の中心が見えまして)
 ですから、下手というわけでも……
 弓は貴族のたしなみだものね。
 万能な公任サマ、つい、実力が出ちゃったのよね

 
 てなわけで、伊周<<<<道長<<<<公任??!

 公任と弓

   時代の寵児 万能の貴公子 藤原公任だ。
   人呼んで「三舟の才」
   欠点は、そうだな……
   苦手なことが ないことかな。
   一つくらい できないことがないと
   人としてかわいげがないのに
   困ったものだ。  [杉田圭『うた変。』メディアファクトリー、2012年、91頁]

 この漫画のキャラ好きだぁ~(笑)
 このキャラで脳内再生してしまいました☆



 [参考文献] 橘健二・加藤静子 校注・訳『新編日本古典文学全集34 大鏡』小学館、1996年


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