◆展覧会記録◆2016年10月 東京国立博物館

 三十六歌仙絵の白眉「佐竹本」から「時代不同絵」まで


 柿本人麻呂から小野小町、式子内親王も!

 東京国立博物館本館2階特別1室・2室にて、「歌仙絵」を特集展示中です。
 2室を使った贅沢な展示になっていますが、総合文化展(常設展)チケットのみで鑑賞する
 ことができます。期間は11月27日(日)まで。

 歌仙絵図録
 ▲図録表紙/佐竹本三十六歌仙絵(部分)より/鎌倉時代・13世紀(個人蔵)


 歌仙絵 とは、優れた歌人の肖像画のことです。
 古くは柿本人麻呂への崇拝にからんで平安末期に始まりますが、多くは鎌倉時代以降に発展し、
 中近世を通じて描かれ、愛好されてきました。

 ですから作成された時代はほぼ中世以降ではありますが、描かれる対象はおなじみの
 藤原公任による『三十六人撰』をもとにした 三十六歌仙 などをはじめとした人々になります


 歌仙絵で最も有名なのが、「佐竹本」と呼ばれる三十六歌仙絵です。
 鎌倉期に作られ、似絵の名手といわれた藤原信実らによる絵、書は藤原(九条、後京極)良経
 創始した後京極流と認められる(良経真筆である根拠はない)ものです。

 もとは絵巻でしたが、すでに切断されて所蔵はバラバラになっています。

  このあたりの面白い話は姉ブログにあります「佐竹本 三十六歌仙(くじょう みやび日録)

 今回もちろん、この「佐竹本」からも小野小町はじめ何点か出展されています(上写真参照)。


 三十六歌仙絵とともに、歌仙絵の重要なモチーフとなったのが「時代不同歌合絵」です。
 とても楽しい題材で、鎌倉前期の後鳥羽院が編んだ『時代不同歌合』に基づいて描かれました。
 時代不同歌合ってとても素敵な発想で、時代の異なる歌人の歌を、あたかも現前に展開されている
 歌合のように見立てて並べたものなのです。
 時を越えてあこがれの歌人たちの夢の対決を実現させたかったのでしょうね。
 昔の人の遊び心に微笑ましくなりませんか

 こうした時代不同絵も何種類か展示されています。そのマニア心ににんまりです



 最後に、何点か美しい「姫」の歌仙絵を撮ってまいりましたので、競演をお楽しみください。

 式子内親王歌仙絵
 ▲『新三十六人歌合画帖』狩野永納筆/江戸時代・17世紀

 小町・斎宮歌仙絵
 ▲後鳥羽院本(烏丸光広奥書本)三十六歌仙絵(模本)/江戸時代・19世紀

 歌仙絵式子内親王2

 歌仙絵斎宮女御2

 歌仙絵伊勢
 ▲女房三十六歌仙絵(模本)/江戸時代・19世紀

 式子内親王や斎宮女御(徽子女王)のような皇族はその高貴さゆえに顔をはっきりと
 描かれないことが多いといいます。一番下の「伊勢」ははっきり描いてありますよね。

 また「佐竹本」の小野小町は<想像を絶する美女>という意味で後姿なのだとか

 


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