春日大社 千年の至宝/陽明文庫講座
いずれも“藤原氏”ゆかりの展覧会・イベント!
2017年に入って、東京にて、藤原氏に関する大きな催しが目立ちました
東京国立博物館の特別展「春日大社 千年の至宝」開催中!
藤原氏の氏神を祀る春日大社。
神護景雲2年(768)に称徳天皇の勅により本殿が造営されたといいます。
現在、上野の東京国立博物館にて開催中の上記特別展(~3/12)では、
「平安の正倉院」とも称される春日大社の古神宝や関連史料が公開されています。
古代藤原氏好きから見て、ことにテンションの上がる名品は、
なんといっても藤原頼長関連の宝物でしょう!!
春日大社の摂社・若宮神社は頼長やその父・藤原忠実が権力を持っていた時期に
始まっており、父子は若宮へ神宝を奉納しています。
頼長の日記『台記』保延2年(1136)11月7日条に、頼長が春日詣の折に
本社と若宮に神宝を奉納したことが記されていますが、
このうち若宮御料の
・平胡簶(ひらやなぐい、本展ではNo.46、※~2/12)
・蒔絵弓(まきえのゆみ、同じくNo.47・48、※前後期交替で出品)
がそれに該当し、同じく若宮御料の
・毛抜形太刀(けぬきがたたち、No.45、※2/21~)も
忠実・頼長父子奉納の宝物と推測されているそうです。
中でも「平胡簶」は大治6年(1131)の崇徳天皇行幸に際し、中将として供奉した
頼長が使用したもののようです! 忠実が愛息・頼長のために用意したものとか
今回の展示の目玉の一つ、「金地螺鈿(きんじらでん)毛抜形太刀」(No.58、※~2/19)!
竹林の中で猫が雀を追い捕まえるまでが絵巻風に蒔絵・螺鈿・ガラス工芸などで
表現された鞘が特徴の、実に緻密で美しい逸品です。
今次の式年造替ではこの復元模造が制作され、当時の極めて高度な技術と
金無垢を使用した贅が判明、マスコミでも話題になっていました(No.70、※2/14~)。
裏付けはありませんが、制作年代や、春日大社との関係が深く豊富な財力を有すること、
そして大の猫好きであることから、
頼長が関連しているのではないかとの推測も!?
こんなところで頼長の猫好きが話題になるとは!
関連記事:頼長と猫
ほかにも藤原道長自筆『御堂関白記』が一部(おなじみの、春日社へ発った息子・
頼通を心配して藤原公任と歌を遣り取りする場面! No.77、※2/14~)出るとか、
「寛弘八年」銘の鏡(No.62)とか、各種「春日権現験記絵」の比較が面白いとか……
頼長使用済み「平胡簶」など頼長の話にうっかり興奮してしまいましたが、
ほかにも見どころはたくさんあると思います!
春日大社といえば……の神鹿も、可愛いくて凛々しくてカッコイイです!!
そして! 特別展にちなんだグッズも豊富です!
▲クリアファイルの一部
キャラクター上から「ニャデンとチュン」「シカスガさん」「シシコマくん」
ニャデンとチュンは、頼長デザインかもしれない(?)あの太刀の(上記No.58)、
螺鈿の猫と雀がモチーフなんですよ! 頼長ファン必携ですね(笑)
ぬいぐるみ(小)もありましたので、そういうの好きな方はぜひ!
……しかしチュン、捕獲されてるんだけどね
いろんな意味で、面白いキャラクターです。
そして、特設売店で当展覧会の図録を購入すると、記念の根付が付いてきます!
展覧会図録って豪華な割には安いし、根付はプレゼントとは思えぬ素敵な造り、
これはかなりオススメです☆
初の東京開催! 陽明文庫講座(第7回通算第21講)
陽明文庫は、昭和13年(1938)、近衛家当主で内閣総理大臣もつとめた近衛文麿に
より創設されました。藤原道長自筆を含む世界記憶遺産・国宝『御堂関白記』はじめ
近衛家(道長子孫・五摂家筆頭)伝来の多くの貴重な史料を収蔵しています。
東京大学史料編纂所に拠点を置く研究グループの活動の一つ「陽明文庫講座」。
1月29日(日)セシオン杉並にて開催された通算第21講目は、初の東京開催でした。
当初定員150名で集会場使用の予定が、申し込みが約280名となったため、
ホールに変更されての開催でした(実際は約250名の参加とのこと)。
今回の内容を列挙しておきますね(挨拶・休憩などは省略)。
「近衞家における故実の継承」(基調講演)
講師:尾上陽介(東京大学史料編纂所教授)…70分
「歴代関白記余談」
講師:名和修(公益財団法人陽明文庫常務理事・文庫長)…15分
・対談 尾上陽介×名和修
司会:田島公(東京大学史料編纂所教授)…15分
約10頁の講演内容詳細レジュメもいただけ、豊富な史料(今回の主題である
歴代当主の日記がほとんど)もスライドで拝見できました☆
そのうえ史料編纂所の2017年カレンダーまで貰えるとは!
ところが、時間が押してしまい、最後の対談は中止になってしまうハプニング!
対談こそ笑える(?)裏話があったり面白そうだったのに、ちょっと残念。
っていうか時間設定(名和先生の15分)無理ありすぎるでしょ
敷居の高そうなこうした学習講座、以前実は「邪馬台国の会」に参加してみた
ときも思ったのですが、意外に一般人にもやさしいなぁと思います。
またの東京開催をお待ちしております。(ぜひ対談のリベンジを……)
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