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 日本最古の金貨「開基勝宝」と西大寺大茶盛式の美味しい関係?


 「開基勝宝」に東京国立博物館で出逢う


 まずは先日の話。東京国立博物館にて、日本最古の金貨「開基勝宝(かいきしょうほう)を発見。
 常設展の平成館・考古学コーナーにて展示してありました。

 古代の貨幣といえば、和同開珎を最初とする銅銭“皇朝十二銭”が著名ですが、
 この「開基勝宝は金貨ですので含まれません
 銅銭のように広く流通したものではないと思われ、現存はたったの32枚だとか。
 いずれも称徳天皇発願の奈良・西大寺周辺から出土しています。

 開基勝宝


 開基勝宝の記事は『続日本紀』天平宝字4年(760)3月16日条にあります。
  ・「私鑄稍多」(私鋳銭が多い)ため鋳造する
  ・同時に銅銭「萬年通寳」・銀銭「大平元寳」も鋳造する
  ・銅銭10を銀銭1に、銀銭10を金銭1に当てる
  (この「萬年通寳」が皇朝十二銭二番目の銅銭です)
 淳仁天皇の時代、藤原仲麻呂主導の政策と思われます。

 

 西大寺大茶盛式の茶菓子

 奈良の西大寺で、毎年春・秋の2回催される「大茶盛式」は有名です。
 同寺中興の祖・叡尊に由来を持つとされる茶会ですが、とにかくその道具が
 大きいことで有名です! 大きな茶碗を両脇の介添えで抱えて飲む着物女性の
 シーンはみなさんテレビなどでご存知なのではないでしょうか。

 実は私も昨年、西大寺にて大茶盛式を体験させていただいております

 そのとき出された茶菓子がこちらでした

 開基勝宝菓子

 なんと、開基勝宝!!

 いつもこの茶菓子なのかはわからないのですが、先日東博で本物を見たとき、
 思い出してしまいました


 人が入っていないのでサイズ感のない写真になってしまいましたが、
 お茶碗と掛け軸はこちら。茶碗以外の茶道具もすべてビッグサイズでした!

 西大寺大茶盛

 平均的な茶碗の大きさはパンフレットによると、高さ21センチ、口径36センチ、
 周囲107センチとか。大会場だったのでいくつかお茶碗が回っており、
 それぞれ少しずつ違う形をしていました。形状によって飲みやすさに差があったかも
 しれません。何人かで回して飲むのですが、器に合わせてお茶も多いためなかなか
 飲み終わらず、何巡かしてようやく飲み干す……といった感じでした




 そろそろ全国3会場を巡回する「奈良西大寺展」がはじまりますね。
 まずは東京の三井記念美術館(4/15~)。会期中にはイベントとして大茶盛式が
 数度開催されるそうなので、ご興味ある方は展覧会公式サイトのチェックを!


 

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